つるちゃんとかめこ
重い認知症になったつるちゃんは、娘のかめこを「お母さん」と呼びます。 かめこの愛と工夫に満ちたケアが、きょうも、つるちゃんの心に届きます。
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終末期の生き方:本人と家族の意思
つるちゃんが 急に食べられなくなったのは、おととし2008年の秋。
極端な状態が治まっても、
【ミキサーにかけた食事】や 卵豆腐のような物でないと飲み込めなくなった。
その直前まで、お寺ではお蕎麦を食べていたほどだったのに。


栄養補助として、エンシュアリキッドが処方され、
10月22日には、内科かかりつけ医のキューピー先生が、
「今後の話」として、
「食べられなくなったら、
 ①鼻からチューブを入れる ②胃ろう という手段もあるが、どうするか、
 兄弟の意見も聞くように」
と、話された。

かめこは、
「【胃ろう】も【鼻チューブ】もしない」 と、返事をし、
弟も、「かめこさんの思うとおりでいい」と言ってくれた。



つるちゃんの終末期については、
かめこは、それまでも、想像できる限りイメージしようとした。

そして、
「本人にとって、無理が少ないのは、
【口から食べられることが難しくなったら、他の手段で栄養を摂ることはしない】
ことなんだろう」 

と 考えていたから、
その時点で、迷いはなかった。

それで、自分の気持ちについては即答した。



もちろん、弟の気持ちも、大事にしたい。
そして、
何といっても、
本来ならば、
一番尊重しなくてはいけないのは、【つるちゃんの意思】だ。


そのことは、
つるちゃんが 認知症(当時は「痴ほう症」)だろうと、確信した時点から、
かめこが考えていたことだ。

何も【つるちゃんが、自分の終末期にどうしたいか】だけを、
ことさら取り上げて、尊重したいと思ったわけではない。

認知症になり、
自分で自分のことができなくなり、
自分の意思を、人に伝えられなくなるだろう 母が、

これから どう生きていきたいのか、
本人の意思を、できる限り尊重していきたいと思った。

そして、
そのために、今のうちに、
本人の意思を知りたいと思った。




将来についてだけ、話題にしてもイメージできないだろうし、
わざとらしく聞けるわけもないから、

まずは、子どもの頃のこととか、
かめこの知ってる お母さんの言動が、
そのとき、どう考えたからのものだ、とか、
とにかく、話を聴きまくった。

1年ほどして、
父が、母がおかしいことに気づき、
かめこが、週に2回 定期的に通うことになるまでも、
同じくらい通って、
つるちゃんの話を聴きだした。
家系図なんてものも、作った。



その頃、つるちゃんから得た【情報】は、
その後、つるちゃんと暮らして行く上で、とても役に立った。
【手がかり】が たくさんあることで、
認知症特有の わかりにくい言動からも、
つるちゃんの気持ちが想像できることが多かったし、 
その時々、具体的にどうすればいいか、考えつく場面もたくさんあった。
あの頃、聴いておいて、本当に良かった。



ただ、
「終末期について どう考えているか」 の【手がかり】は、
その頃や、それまでの つるちゃんの話の中では、
「あまり苦しむのは かわいそうね」
というような感想くらいか。

つるちゃんが、もともと持っていた価値観とか、考え方とかからも、
はっきりとした【意思】を汲み取ることはできていない。



だけどね、
つるちゃんと一緒に暮らして感じたことなんだけど、


いつの頃からか、
それは もしかすると かめこが赤ちゃんの頃からなんだろうけど、


つるちゃんは、
自分がどうしたいか、より、
かめこがどうしたいか、を、考えていて、

かめこの考えるとおりにしたい、それが一番うれしいと
思っているみたいなんだ。



だから、かめこの見るところ、

つるちゃん本人の意思は、
「かめこが そうしたいこと が一番いいです」

なんだと思う。





さて、
先々週、つるちゃんの入院先の主治医より、かめこは、

現段階の話として、
① 胃ろう
② 鼻からチューブ
③ 今までどおり、高濃度点滴を続ける

という、3つの選択肢を提示された。


それは、
その時点では、
「そろそろ食事をはじめる時期だけど、かめこが 食事介助に行かれない」
ということから出た 選択肢だった。

つまり、この時点では、
【食事再開の目途が立たない状態での選択肢】ということになるだろう。



その時、かめこは、

おととしの秋に、かかりつけ医から【胃ろう】と【鼻チューブ】について、
 話が出たときには、
 『しない』と 答えました。

  弟も それでいいと言っていました。

 だけど、その時は、
 『母が口から食べられるように 私が努力する』
 という前提があって、言ったことだと思うんです。
 でも、 今は、それ(食事介助)ができないから、
 気持ちは それだけでないように思います

と答えた。



つるちゃんが口から食べられるように、かめこが努力を続けて、
つるちゃんが、がんばって食べる努力を続けてくれて、
それでも、いつか食べられなくなったときには、
つるちゃんに、
もう がんばらなくていいよ、って言いたい。



かめこは、そう、ずっと思ってきた。



かめこの考える 【自然な死】 というのは、

【本人が、精一杯生き抜いて、
それ以上は無理させられることなく 迎える死】 


ということだから。



そして、
つるちゃんは、
これまでも、肺炎になってからも、とてもとてもがんばってきた。
認知症を抱えながら、精一杯生きてきた。
もちろん、食べることについてのみならず。



だけど、
かめこは、自分が何もできないままでは、
「もういい」って、言えない気持ちだったんだ。





さて、
先々週、主治医は、
かめこの「それだけではない」と言った部分を 無視したかのように、

 「私も、胃ろうには反対です。
 お母さまは小柄で痩せていらっしゃるので、
 手術で胃ろうをつくるのは難しいです。

 『ここまで治して、今更胃ろう か』 という思いもあります」

と言われた。


他にもやりとりがあり、
主治医は、最後に、

「思いと現実のバランスが大事なんです」
と、話された。





【3つの選択肢から、どれを選ぶか】。

先週の主治医の出された【選択】は、

「やはりまだ、食事はできないです。
 高濃度点滴のままで様子を見ます。
 食事ができるようになりましたら、声をかけます」
ということだった。


主治医は、
先々週、
つるちゃんの嚥下についての詳しい話を かめこから聞いて、
改めて、つるちゃんを観察したところ、
「まだ無理」だと判断されたようだ。


かめこは、主治医の声がかかれば、なんとか行くつもりでいる。

そこには、
本人と家族のためにならないことはしないだろう、
という、主治医に対する【信頼】があって。





入院30日目 8月1日 微熱。 かめこが行ってしばらく、つるちゃんが泣いた。
           
入院31日目 8月2日 微熱。 手をしっかり握ってくれた。






関連記事:2008年10月23日付け 「リキッドと今後の話」
【2010/08/03 07:48】 | 肺炎で入院 | トラックバック(0) | コメント(8) |
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コメント
v-16です。

私が、家族が悩んだこと、かめこさんも同じような道をたどってる。
【2010/08/03 09:38】 URL | ベンジャミン(keiko) #oUPgpoCM[ 編集]
v-375
【本人が、精一杯生き抜いて、
それ以上は無理させられることなく 迎える死】 

私も まったく同じ思いでいたわ
最後まで ずっとばぁの手を握っていたわ
【2010/08/03 11:32】 URL | ウルル #L1ch7n1I[ 編集]
わたしの母も7月5日に入院して、今も入院しています そして胃ろうをしないと決めていたのに、水分だけでも、胃ろうからとればよいですといわれ、水分摂取が大変だったので、胃ろうをお願いしました そうしたら3週間、食事を摂取していなかっただけで、食事をするという動作を忘れてしまい、本末転倒になってしまいました ただ決めてしまったことは、後悔してもいけないので、前に進むしかありません 本当に、母にとっての穏やかな日々を考えると、心が痛む毎日です
【2010/08/03 23:15】 URL | まる #-[ 編集]
e-365より、v-16ベンジャミンさんへ
かめこの気持ちの深いところを分かってくれる人が居る、って、とても心強いです。
これまでも、ずっとずっと見守ってくださっていたよね。ベンジャミンさん、ありがとう。
【2010/08/04 23:33】 URL | ベンジャミンさんへ #/Amn5WiM[ 編集]
e-365より、v-375ウルルさんへ
ばぁは、本当に よくがんばられたよね。
手を握ると、そういうのが伝わってくるよね。
【2010/08/04 23:39】 URL | ウルルさんへ #/Amn5WiM[ 編集]
e-365より、まるさんへ
はじめまして。ご訪問ありがとうございます。v-300

同じ時期に入院されたのですね。
当初のご病気の方は、良くなられたのですね?

家族が後悔ばかりしていては、誰も幸せになりませんものね。
お母さまにとって穏やかな日々だと納得できる日が、少しでも早く来ますように祈っております。
まるさんも、お身体に気をつけてお過ごしください。
【2010/08/05 00:09】 URL | まるさんへ #/Amn5WiM[ 編集]
優しいお便り、有難うございます
私の母の今回の入院は、誤嚥性肺炎かもしれないということで入院したのですが、肺炎ではなく、熱中症のようでした 体温調整があまりうまくいかないので、クーラーなどをかけていても、汗をかいてしまうこともあり、水分不足となったようです 最低、1000ccということで、お茶ゼリーを3カップ半、毎日とっていました しかし、家だと、冷えすぎもいけないかなと思い、ついつい自分の体温にあわせてしまうのがいけないようです 病院では、確かに寒いくらいですものね 母は、体温調整ができず、すぐに、37度以上に冬でもなってしまいます また、不思議なもので、入浴後は、37度6分くらいまで上がってしまいます 私の場合、今は、一人で、通いで、母のことを看ています 私に子供がいないので、ついつい、気になってしまい、親離れしていない自分に困っています ついつい孤立しがちな介護生活なので、 かめこさんの温かい、優しい、ブログを知って、とても嬉しいです 少しずつ、読ませていただきます 
【2010/08/05 20:29】 URL | まる #-[ 編集]
e-365より、、まるさんへ
子どもがいても、母のことは気になりますよ。
私も「親離れしてないなぁ」と感じています。
でも、親ではあるけれど、支えてあげなくてはいけない存在です。子どもは、自分で世界を切り開いていけるけれど、母は誰かが手助けしないと、生きていかれませんものね。
まるさんは お一人で通いで看ていらっしゃるとのこと、どうぞ ご無理をされすぎませんように。
【2010/08/06 22:24】 URL | まるさんへ #/Amn5WiM[ 編集]
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プロフィール

かめこ

Author:かめこ
つるちゃんは、症状が出てから12年。
現在81歳。要介護5です。
家族は、つるちゃん・かめこ・かめこの夫
孫ミニーとデイジーは共に結婚して別居。
かめこは、乳がん手術を体験しています。
体力は無いけど、命の重さと自由の尊さを
知ってる人だと思います。

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